藤原ヒロシ

photo by JORGEN AXELVALL

キース・へリングについて僕が知っているのは、まず1982年にヴィヴィアン・ウエストウッドとマルコム・マクラーレンがやっていた「ワールズエンド」という洋服のブランドで、キース・へリング柄をいっぱい使っていたんですよ。ニットもあったしバッヂもあったし、僕も今でも持っているものが多いです。それ以降ですかね、ちょうどヒップホップ文化がすごい勢いで流行り出して、いわゆるグラフィティでも、エアブラシとは対極にあるキース・へリングの一筆書きみたいな感じのものも流行っていったんですね。それで、その後はグレイス・ジョーンズの身体中にペイントしたりとか、音楽やカルチャーの1つとして、キース・へリングは上手く入り込んで、本当のアートとストリートカルチャーを行き来しているような存在だなと思いました。
ちょうどそのころ、原宿のピテカントロプスというクラブに彼が来て、壁中にいろいろ描いたりしてましたね。僕もお会いしたことがあるし、でも僕は実は作品そのものにそこまで興味があるわけでもなかったので、自分で描いてもらうとかはしたことはなかったんですけど、僕の周りの人たちは普通に紙コップに描いてもらったりしてました。そういうものでも今、残っていたらすごい貴重なんじゃないかなと思います。(談)

PROFILE

藤原ヒロシ

80年代よりクラブDJを始め、85年TINNIE PUNXを高木完とともに結成し、日本のヒップホップ黎明期にダイナミックに活動。90年代からは音楽プロデュース、作曲家、アレンジャーとして活動の幅を広げる。‘11年より真心ブラザースの倉持陽一とともにAOEQを結成し、その後猪野秀史、OKAMOTO'S、ユナ&ユウキ(CHAI)、渡辺シュンスケ(シュローダーヘッズ)、三浦淳悟(ペトロールズ)、番長(ワンダフルボーイズ)などのミュージシャンと新たなバンドスタイルでの演奏活動を継続的に行っている。
またワールドワイドなストリートカルチャーの牽引者としての顔も持ち、ファッションの分野でも若者に絶大な影響力を持つ。
J-WAVE「JUN THE CULTURE」
SATURDAY 13:30-13:50

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